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 この寒い時期には、こんな話はどうでしょう。
 ここ東京葛飾柴又でも今日は雪が降っています、ピッタリかも知れません。
 ほんのちょっと、ミステリーが含まれています。それが何処にあるのか、探して見て下さい
真冬の出来事-A


* 真冬の 出来事 ( 前編 )* * * * * * * * * * * * * *
 

今年も、冬がやって来た。
私は、冬を専門とするカメラマンである。だから、冬が来ると急に忙しくなる。
自宅のある東京にも十二月下旬になり、早くも雪が舞った。「今年の冬は、少し寒くなり雪が多いでしょう。」と、天気予報で言っていたのを思い出した。

今日は午後一番で、新宿発のあずさ号に乗りこんだ。昔、「あずさ2号で~♪♪!」と歌われたあの、あずさ色の特急だ、現在は白色が基調の洒落た列車になっている。目的地の白馬駅まで、新宿から中央線で長野県の松本を越え大糸線に入り、穂高を過ぎ信濃大町を越えると急に雪の多い世界に入って行く。

列車に揺られ、少し眠くなり目が閉じた。
とても寒く・雪が多いと言えば、かならず三十年前のあの日のことを思い出す。あれは確か、私がまだ駆け出しのカメラマンで無我夢中でシャターを押していた頃だった。依頼される仕事は何でもやっていた。

その日は、早朝五時過ぎから撮影に入っていた、白馬三山(白馬・杓子・槍ヶ岳)の朝焼けの写真を撮ることだ。真っ白な雪山が、しばらく見事な濃いオレンジ色に染まるその時だ。夢中でシャッターを押した百枚位は撮ったから何とかなるだろう。今回は三日間雪が降り続き今日の晴天となり、最高の写真が撮れた、今シーズンは運が良いと思った。これが、運が悪いと、十日間経っても一枚も撮れない時が間々ある。

そうこうしているうちに、子蓮華山から雲が少し出てきた。今日の天気は吹雪くかも知れない。これは、日本海からの雲が立山連峰に当たり、越える時に微妙に雲が発生するメカニズムらしい。昔バイト先のおじいちゃんに習ったことで、これが以外に当たる。

ぼっかを何十年もやっていた経験から出てきたものだ。天気予報が晴れと言っても、吹雪き始めたことが数多くあった。

さあ次は、大糸線の列車の撮影だ。

 

やはり、雪が降り始めてきた。

前もって調べておいた青木湖近辺の撮影スポットに向かった。降りがひどくなり吹雪になってきた。積雪も二メートル程度あり、深雪が積もり何処が道や川で、田んぼなのか境目が分からなくなってきた。時計を見ると、もうすぐ列車の来る時間だ。これを逃すと二・三時間は列車が来ない。焦って撮影場所を探した、その時、足が宙に浮く感覚で落ちた、真っ白な無音の、雪の中の世界に。いくらもがいても、もがいても真っ白な世界は変わらない、しかも足を捻挫したらしく、重い鈍痛が走った。何とか雪の少ない所にたどり着き、吹雪の世界に戻った。

 

遠くに列車の警笛音が聞こえた、何とか間に合い周囲の雪を踏み固め撮影体制に入った。吹雪の中を、オレンジ色のヘッドライトを点し走ってきたのは機関車で、ファインダー越しに実に力強い走りに見えた。

緊張が解けると、足にまた痛みが走った。「 今日の撮影は、もう終わりだな。」と思った。

To be continued ・・・・・

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